楽しさいっぱいのネット損保
最近、T社もクルーが好評であることを見て、クラウンの屋根を高くして、トランクリッドを深く切ったクラウン・コンフォートなるクルマを、タクシー専用車として登場させた。
クルーにせよクラウン・コンフォートにせよ、タクシーの後部座席に乗るお客さんにとっては、従来のクラウン、セドリックよりはずっといい。クルーはたとえばお客さんの送り迎えに、不動産屋さんが使うのなどにはもってこいのクルマだ。
走行距離は多いし、お客さまを乗せるにもけっこう装備のそろったデラックスなモデルもある。N社はクルーをこのまま10年ぐらいつくれば、元を取れるかという計算なのだろう。
こういうマーケティングはなかなかうまい。実際にはクルーは大部分がタクシーとして使われ、オーナードライバーはほとんど買っていないとは思うが、ユーザーが割り切って使うにはなかなか丈夫でいいクルマではある。
N社がタクシー専用車として開発した、20のFRセダン。最近、東京の街でもクルーのタクシーをようやく多く見かけるようになってきた。
私はクルーが登場した当初、タクシーとして成功しないのではないかと思ったが、幸いにしてその予測ははずれたようだ。クルーがタクシー専用車であるゆえんは、その基本的なシャシーにある。
後輪駆動のリジッドアクスル(タクシー仕様)というきわめてシンプルな構造を持っており、とても丈夫につくられている。さらにN社が長年他のクルマで使ってきたコンポーネンツを使っているから、その点でも信頼性が高い。
日本のタクシーはあまり走らないが、それでも廃車になるまで平均1000万は走るから、耐久性は重要な要素なのだ。クルーは全長4595全幅1665全高1460ホイールベース2665mと、5ナンバー枠内におさまってはいるが、その室内は広大である。
ルーフを高くとり、リアシートの乗り降りを楽にして、ドライバーの席もなるべく楽に作業しやすいようにつくられているから、それがいいといって、このクルマに乗るオーナードライバーがある。また、なかにはショーファードリブンとして、このクルマを使アスコット/ラファーガは、これまでのH社車と異なり、一気に背を高くしたところにその特徴がある。
全長4555m、全幅1695m、全高1425ホイールベース2770m。せっかく背を高くしたのに、アスコット/ラファーガはそのメリットをうまく消化しきれていない。
このレイアウトは、エンジン、トランスミッションが後ろに飛び出してきてしまうため、どうしても室内スペースが圧迫されてしまう。このクルマのホイールベースが2.8m近くと、やたら長いのは、フロントシートの足元のスペースを確保するためである。
これもこのレイアウトの泣きどころで、同じレイアウトをとるレジェンドなど、ホイールベースは3m近くもあるのにその室内はどうにも狭く、とうていFFのクルマとは思えないのである。アスコット/ラファーガが惨敗したのは、ひとつにはこのスタイルにも理由があろう。
かつてのH社は背が低く、幅広くというクルマが得意で、かつてのインスパイア/ビガーはそのカッコよさでヒットさせた。しかし、アスコット/ラファーガでは、そういうデザインが構築できなかった。
H社は長いあいだ、ユーザーを背の低いクルマはカッコいいと洗脳してきたが、その結果、昔からのH社車ユーザーは、気筒エンジンを縦置きにする、H社のFF中級セダン。エンジンを後退させてフロントアクスルの上に載せる、例のフロントミドシップなるレイアウトのクルマだ。
私が一貫してこの種のH社の車に疑義を呈しつづけているのは、FFは、駆動輪に大きな荷重をかけるべく、フロントアクセルの前にエンジンをぶら下げないと成立しないというセオリーがあるからだ。ところが、このフロントミドシップなるレイアウトでは、その大事な荷重が後ろにいってしまう。
そのため坂道発進や急加速あるいはウェットな路面で、前輪がホイールスピンするなど、トラクション不足の問題がどうしても出てくる。それでもH社がこのレイアウトにあえて固執する理由は、ひとえにフロントオーバーハングを短くして、FR車のようなカッコいいデザインをしたいということにつきる。
ほかにこのレイアウトのメリットを探すとしたら、せいぜいFFのひとつの欠点であるターニングサークルを、小さくできるということぐらいである。いかにごまかそうが、いまのユーザーは、H社が考えているほど無知ではない。
このクルマをカッコ悪いと思ってしまうのである。マークUやスカイラインのようなストレート6が欲しかったからである。
H社はFFでマークUのようなクルマをつくりたかったのである。しかし、アスコット/ラファーガはマークUのように人気を博することはなかった。
それは、H社がマークUの瞥沢っぽさだけをマネしたからだ。マークUのようなクルマは、おいそれとつくれるものではない。
H社というメーカーは昔から、古い常識に挑戦して新しいことをやってやろうという意欲的なところがある。それは私もおおいに買う。
しかし、このアスコット/ラファーガは、その意欲がカラ回りしてしまった失敗作だ。これまで先人たちが築きあげてきたクルマづくりのセオリーに挑戦して、新しいものをつくろうとするからには、それ相応の深い考察が必要ということである。
アスコット/ラファーガは、ほんとうはH社のT社車になりたかったのだが、結局H社のM社の車になってしまった。もし、H社がこのクルマをあきらめないのなら、次につくるときはエンジン横置きのFFとすべきであろう。
が家にいるからだという感じになってしまう。H社は日本の4輪マーケットに進出してから、ついにファミリーカーイメージの構築に成功できなかった。
そこの部分は何年も前からT社ががっちり押さえているので、H社はそのマーケットにどうしても入り込めないのである。4ドアセダンと2+2のクーペ、ワゴンの3種類。
このボディは一見、エンジンに比して図体が大きく見えるが、適正だと思う。日本で図体が大きく見えるのは、これまで小型車の枠が幅1.7m以下に抑えられてきたからだ。
アコードのサイズは国際サイズである。最近、アメリカのアコードはV6エンジンを無理やり積んだが、本来は4気筒エンジンが中心のクルマだ。
4気筒だからそれほど静かでもないし、ごくごく普通の走りだが、やはり数あるH社車のなかから選ぶなら、このアコードとシビックが鉄板だ。1976年に登場して以来、長い歴史を持つH社の代表的FFセダン。
現在のモデルは3年前に登場したもので、来年、モデルチェンジイヤーを迎える。アコードというクルマは、H社車のなかではきわめてオーソドックスで、マジメにつくられている。
なぜならアコードのメインマーケットはアメリカで、そこではインスパイアやラファーガのような奇手が通じないからだ。それがまた、アコードが日本ではあまり人気が出ないということにも通じている。
アコードのボディは日本で使うには少々大きすぎるように見えるし、そのデザインもあまり日本人好みではない。アコードはアメリカでは年間1000万台売れるクルマだが、日本ではいま、月に1000台も売れていない(セダン)。
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これもこのレイアウトの泣きどころで、同じレイアウトをとるレジェンドなど、ホイールベースは3m近くもあるのにその室内はどうにも狭く、とうていFFのクルマとは思えないのである。アスコット/ラファーガが惨敗したのは、ひとつにはこのスタイルにも理由があろう。
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